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医療と介護の連携に向けて当院の取り組み
当院のこれからの取り組みの目標
1)在宅介護患者の緊急時への適切な対応:急変時や体調不良時に24時間体制で電話相談をうけ、当院(有床診療所)への入院対応や、重症である場合の救急病院への搬送などの適切な医療処置や連絡を行うことによる、病状急変時の不安や介護する家族の負担、介護士、訪問看護師の不安の解消。
2)在宅介護を希望する本人や家族との橋渡しによる早期支援退院

当院における在宅医療の提供の課題
1)高齢化により介護・看護必要度が高く退院後も介護などに手がかかる
2)家族が入院前と同等ないしそれ以上のADL改善を求める
3)多くの合併症を有する場合が多く医療ニーズが高い
4)入院により家族の経済的・精神的・肉体的負担から開放されるため、家族が在宅や介護施設への逆戻りを希望しない家族も多い/療養型病院への転院を希望
介護老人保健施設・老人ホーム・グループホーム→経済的負担大
在宅介護→精神的・肉体的負担大
5)独居・老--‐老介護世帯も多い:家族のニーズにあった退院支援を模索するため、退院までに時間を要する
6)病状急変時の不安
7)介護する家族の負担の増大と不安

当院がこれから取り組む内容 
(1)多職種連携の課題・解決策の抽出
1)退院前カンファレンスの開催もしくは積極的な連絡調整:主治医(病院・在宅)、ケアマネ、看護師(病院及び訪問)、MSW、本人・家族他(必要に応じてPT・OT・栄養士等)→退院後のケアプランの作成、連携する機関との連絡調整
2)在宅で急変時の対応の確認:連絡方法・緊急時の入院先、リヴィングウィル(心肺蘇生などの積極的治療を希望するか否か?)→基本的な治療方針について、家族、本人や介護職、ケアマネなどの他職種との意思確認と周知をどう行うか
(2)多職種連携体制・24時間対応体制の整備
当院は強化型在宅療養支援診療所であるため、当院に通院中の患者や連携している医療機関の在宅患者については、すでに24時間体制で当院の職員(主に看護師)が常駐し電話対応などを行っている。しかし、この体制はおもに急変時などの病状の変化に対応するサービスであり、日常的な介護支援や家族の相談に対応できるサービスではない。
このため、病院からの退院支援や日常的な介護支援に関する相談、病状や家族の介護、医療に関する要望や急変時の対応に関する希望などの情報を、医療と介護がともに共有できる他職種連携体制の構築を行う必要があると考えている。医療と介護の双方に精通した事務職員の雇用、電子カルテや電子介護ソフトを用いた情報共有の方法の確立、またはセキュリティーの問題が解決されれば、インターネットシステムなどを利用した、多くの介護事業者との連携を図りたいと考えている。
(3)その他の事業
比較的元気な介護を必要としない高齢独居世帯においては、特に問題となるのは食事の問題である。毎日3食適切な食事を十分に取れている家庭は少なく、食事の問題から病気を生じ、介護が必要となるケースを多数経験している。当院は医療食を提供できる厨房と管理栄養士を擁しており、医療専門の調理施設しか提供できない塩分制限食、カリウム制限食、ビタミンK制限食などの特別食が提供可能である。このため、医療的な特別食が必要な患者への食事提供サービスなどが可能かについて検討している。

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