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シリーズ: 心臓病、生活習慣病について

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● 「不整脈と脳梗塞」

有名な元スポーツ選手・監督などが、脳梗塞で倒れたことをご存知の方は多いと思います。しかし、脳梗塞の主な原因となった不整脈についてはあまり知られていないようです。脳梗塞の患者の約4から5割は脳の血管自体には大きな異常がなく、実は心房細動という不整脈が原因で、心臓の中に血栓(血の塊)ができ、それが頭の血管を詰まらせて脳梗塞を生じたと考えられています。不整脈と脳梗塞はあまり関係がないように見えますが、実は非常に強い関連があるのです。
それでは、心房細動とはどういう不整脈なのでしょう。心房細動は高齢者の不整脈といわれ、年齢が増すとともに心房細動の患者さんも増加していきます。日本では驚くほど速いスピードで高齢化が進んでいることは周知の事実です。このため、高齢者の不整脈である心房細動も今後恐ろしいスピードで増加していくと予想されます。2005年に発表されたある報告によると、2000年の時点で慢性心房細動の患者さんは日本に72万人存在しているとされ2020年には100万人を超えると推定され、無症状で一時的に心房細動を生じている患者さんを含めるとかなりたくさんの心房細動患者さんがおり、今後も増加していくと考えられます。
ただ、心房細動という不整脈はすぐに命を奪うものではなく、心房細動があると必ず脳梗塞になるわけではないこと。また、しっかりと内服薬などで脳梗塞の予防を行えば脳梗塞の発症の危険性が少なくなり、心房細動がない患者さんと同じ生活が可能であることを知っておく必要があります。
内科医・循環器専門医としては、脳梗塞になりやすい心房細動患者さんと、脳梗塞になりにくい患者さんを的確に見分けて、適切な治療を行う必要があります。治療を行う上で参考にするのは、心エコー検査などでの心臓の精密検査の結果、採血などによる、血糖値やホルモン検査などを行った結果などを踏まえて、下の表にあるCHADS2スコアを基準に検討します。CHADS2スコアが0点の患者さんは治療を行う必要はありません。2点以上では直ちに治療を開始する必要があります。
心房細動による脳梗塞を予防する手段は、現在のところワーファリンによる抗凝固療法のみになります。ワーファリンが適切に投与されれば、脳梗塞の減少率は90%以上という驚異的な減少率となります。ワーファリンは定期的な採血検査による、投薬量の調節が必要となりますが、きちんと採血などで見ていけば副作用も少なく、比較的安全な薬といえます。
健診で心房細動を指摘されたら、まず自分の脳梗塞のリスクを評価し、適切な医療を受けるために専門医を受診ください。
CHADS2スコア(6点満点)
C:心不全  1点
H:高血圧 1点
A:高齢(75歳以上) 1点
D:糖尿病 1点
S:脳梗塞 2点
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